店を支えた夫婦の夢
店頭に立つ絵美里さん

 日立市河原子町のグルメハンバーガー店「ビーチバーガー9」が、同市の河原子海岸で営業を始めたのは、2010年の5月。店は、波打ち際といっていいほどの海辺にある。

 震災は、「まもなく開店1周年という時期。『もっともっと頑張るぞ』と気合を入れ直していたころに起きた」と、同店の及川絵美里さん。

 同店の開店は、アメリカで暮らした経験がある夫、岳詩(たけし)さんが持ちかけた夫婦の夢。店舗はログハウス調。扱うハンバーガーは味もボリュームもアメリカンスタイルだ。

 大きな揺れを感じたのは、店内で東京の雑誌社の担当者と打ち合わせをしていたときだった。津波は、店舗ぎりぎりのところで止まってくれて、ほっとした。だが、店内の片付け終えたころに、福島第一原発をきっかけにした不安が襲った。

 1か月ほどで店を再開した。一時は、客足が遠のいたが、店を辞める考えは浮かばなかった。

 「河原子が、カリフォルニアみたいな華やかな場所になったらいいなと思っている」。今も時折、夫婦で開店当初からの夢を語るという。

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