着物などの古布で作画 しもだて美術館で布絵作家・皆川さん展(茨城・筑西)
「明日からの空想」(2006年)190×150㌢ メッセージシリーズより©Sueko Minakawa

 水戸市の布絵作家、皆川末子さん(74)の作品展「皆川末子 布絵の世界展」が、筑西市丙のしもだて美術館で開かれている。12月19日まで。

 布絵は、絵の具や顔料の代わりに、着物や帯、てぬぐいなどの古布を縫い合わせて情景や人物を表現するもので、皆川さん独自のアート。

 日本の伝統文化や情緒を表現した作品や、自らの心情を、女性の姿に託した「メッセージシリーズ」などを制作、国内外で高い評価を得ている。

 布絵を発想したきっかけは、子どもの誕生を機に、「手作りのものを与えたい」という思いが芽生えたこと。日本画を学んでいた皆川さん。たんすに眠っていた亡き母の着物の色が、日本画の顔料の色に似ていると気づくと、布地を使って作品にすることで、供養にもなるのではと考えた。

 母や祖母の着物をはじめ、知り合いらから寄せられた布地も使う。「先輩たちの思いのこもった大切な布地。供養し、その布をよみがえらせたいという気持ちを込めて制作しています」と皆川さん。

 展示は、約6×3㍍の巨大布絵など、初期の作品から近作まで約70点。人物のまつげやくちびるのつやなど、細かい表現も見どころ。11月21・28日、12月5・19日午前11時~午後3時は、皆川さんが在館予定。

 入館料一般500円、高校生以下無料。月曜休館。同館☎︎0296・23・1601。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう