独自視点で地元史紹介 樫村さんの本「那珂川のほとり」
著書と樫村さん

 水戸市見和の樫村弘明さん(73)はこのほど、奈良・平安時代に、奈良の都からの情報伝達のために市内に置かれた「河内駅家(うまや)」の所在地について、独自に研究した本「那珂川のほとり―河内駅家を探す―」を自費出版した。

 古代常陸国には16か所の駅家が存在したとされるが、河内駅家をはじめ、所在地が特定されていない場所があるという。「新たな解釈を引き出すことができたのでは」と、樫村さん。

 駅家は、都と地方を結ぶ官道に16㌔ごとに設置されたもので、情報の伝達を行う公的な使者・駅使(えきし)が、休憩や宿泊をしたり、馬を乗り換えたりした施設。

 日立市の長者山遺跡は、駅家の一つ、「藻島駅家(めしまのうまや)」の有力な候補地とされている。古代国家の交通政策を知る上で重要な遺跡として、2018年に国史跡に指定された。

 樫村さんは、退職後、万葉集や常陸国風土記を読み始め、特に古代史に興味を持った。

 同書では、河内駅家の所在地は、那珂川沿いの渡里地区にあったのではと推察。樫村さんは、県職員として長年建築職を担当するなど、建築が専門。樫村さんの研究方法は、発掘や歴史的な文献に当たるだけでなく、地層を見たり、GPS位置情報を活用したりするなど、土木設計の知識を用いたアプローチをしたのが特徴だ。

 1冊2000円(税別)。本は、市内の図書館に寄贈したほか、希望者には販売している。送料、手数料別。問い合わせは、樫村さん☎︎029・227・0156。  

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