ありがとう里ちゃん 淡水魚館のオオサンショウウオ旅立つ
水槽には6月末までメッセージを展示した。左は高林さん(6月25日撮影)

 常陸大宮市山方の山方淡水魚館のオオサンショウウオの里ちゃんが5月18日、天国に旅立った。里ちゃんは同館で暮らして30年。ほかの2匹のオオサンショウウオとともに、同館の顔として愛された。2匹は山ちゃんと、大好(だいすき)くん。オオサンショウウオは、国の特別天然記念物。

 同館では先月まで、里ちゃんが暮らした水槽に来館者から寄せられたメッセージを貼るなどしてお別れをした。

 同館は、久慈川に面した小さな水族館。3匹の飼育展示は1991年に始めた。

 2019年には、一般公開して3匹の体長計測を実施。一番大きかった大好くんは、体長122・1㌢で、当時国内最大とされていた個体にあと約10㌢に迫り、話題を呼んだ。

 同館の高林暁一郎さん(69)によると、里ちゃんは、数週間ほど前から、えさを食べる量が減っていたという。5月16日の朝、苦しそうに動き、おなかが膨れていたので、専門家らに相談した。

 同館では、お別れ会を開くことも考えたが、コロナ禍を受けて、同館のツイッターで報告するにとどめた。水槽には、職員らによる写真やイラストも貼り、メッセージを寄せた来館者には、手作りの缶バッジをプレゼントした。

 「いつもいたのにいなくなるのは、さみしいですね。ゆっくり休んでほしいです」と、高林さん。

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