森滝自噴水と、和田さん
森滝自噴水の水に手を伸ばす和田さん

 高萩市秋山の森滝自噴水(もりたきじふんすい)の水は、一昨年の茨城国体の際、同市で行われたウエイトリフティング競技などの関係者に、地元の名水として配布された同市のお墨付きの水。湧水地は、県道10号を北進し、日立市から高萩市に入って、すぐの左手。看板はあるが、北向きの斜面にあるため見落としがちで、右手に、現在は太陽光発電施設になった元ゴルフ場が見えたら行き過ぎだ。

 湧水地に近い6軒の集落は、生活水のすべてを森滝自噴水の水で賄っている。集落外にも水は引かれ、元ゴルフ場の営業時は、利用者が入る風呂や芝生整備のための水にも使われていたなど水量は豊富。水源は、日立市の竪破山(たつわれさん)の辺りだと伝わっている。

 集落の和田英昭さん(76)宅を訪ねると、庭の蛇口から水が出しっぱなしになっていた。「水道じゃなくて、湧水だからね」と和田さんは笑った。

和田さん宅庭の蛇口湧水が常に流れ出ている和田さん宅庭の蛇口

 かつて和田さんの祖母は、湧水の流れに沿って水車を建て、周囲の家庭の精米を請負っていたというほど、代々、水に寄り添って暮らしてきた。東日本大震災の後、2日間だけ湧水が枯れたときは、「信じられない思いだったが、戻ってきてくれた」と和田さん。

 水温は年間を通して10度ほどだ。「味のことは、分からないよ」と無頓着な様子。でも、時折やって来る娘婿が水を飲んで喜ぶ顔や、風呂に入って肌の具合に感動している様子には、「悪い気はしないよね」

 各地からの水くみ客が、和田さん宅を訪ねることも多い。「縁結びや病気を治す力があるという人もいる」

 湧水地には2、3台分の駐車スペースがある。周辺は滑りやすい。

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