河合の初秋の風物詩 ホウキモロコシ収穫
収穫した穂を持つ参加者。サッカーJ2水戸ホーリーホックのコーチも参加した

茨城再見聞

 常陸太田市の河合地区でこのほど、同地区の伝統工芸品のほうき「河合の箒(ほうき)」の材料になるホウキモロコシの収穫作業が行われた。

 作業したのは、同市民有志の「種継人(たねつぎびと)の会」ら。同会は、同市と周辺に伝わる農村文化などを継承しようと活動している。

 河合の箒は同地区で作られるようになって100年以上。最盛期には50軒ほどの農家が製造し、県内外に出荷したが、ホウキモロコシの生産量も、製作技術を伝える人も減っている。

 収穫したホウキモロコシは、今年6月に種をまいたもので、小さな種実をつけた穂先を風に揺らしていた。参加者は、軍手を付けて手際よく収穫。「川が近いこの辺りは、良い風が吹いて気持ちいい」と同会の布施大樹さん(50)。収穫した穂は、釜でゆでた後に乾燥させ、10月ごろから、ほうき作りが始まるという。

 先々代からほうき作りを続けている同地区の横山宮子さん(81)は、「昔は、新年を前にほうきを新調する習慣があった。今も、楽しみにしてくれている人がいて、ありがたい」と話した。

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