かつての“当たり前”を、令和に伝承 国重文・山本家住宅(茨城・神栖市)
いろりに火をともす山本さん。ふき替えたばかりのかやぶき屋根をいぶすために定期的に行っている

茨城再見聞
 神栖市奥野谷の国指定重要文化財、山本家住宅が、毎月第1土曜(9月は第2土曜)の午前10時~午後4時、一般開放されている。一昨年から行われたかやぶき屋根のふき替えが完了したのに合わせたもの。来年3月までの予定だ。

 同住宅は、18世紀前半に建築されたと考えられている。四方に傾斜する屋根がある「寄せ棟造り」で、上空から見ると「L」の字の形の「曲がり屋型式」。山本家は、鹿島灘で地引き網漁にも励んだ漁家。漁家の住宅が重要文化財に指定される例は全国でも少ない。

 一般開放日は、同住宅で生まれ育った山本信三郎さん(76)が、案内に当たる。山本さんは、「私にとってここは、文化財である以上に、思い出の場所。家族でテレビを見たりしてたんだから」と話す。そこで積み重ねた当たり前の暮らしと、その中で聞いた地域の歴史などを、時間が許す限り伝えていきたいと考えている。同市教育委員会文化スポーツ課☎0299・77・7495。

 

 

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