”疫病平定”願い大助人形 鹿島神宮で初めて飾り付け
境内に飾り付けられた大助人形

 鹿嶋市宮中の鹿島神宮に、同神宮にまつられる武甕槌大神(タケミカヅチノオオカミ)に由来するわら人形、大助(おおすけ)人形が飾り付けられている。新型コロナウイルスの早期沈静の願いを込めたもので、同神宮での飾り付けは初めて。

 大助人形は武者を模した人形。伝承によって差はあるが、鹿島の神の東北平定の際に、神を助けた兵士の姿がモデルだという。

 全長約1㍍で、頭には半紙に描かれた武者の顔、体にはたすきを模した葉が張られ、手には、輪切りのナスをつばに見立てた竹刀が取り付けられている。場所は、楼門近くで、10体が並んでいる。

 県内では、常陸太田市などで、大助人形の風習が伝わっている。家の前などに立てて、疫病や虫を退けてもらおうというものだ。鹿嶋市でもかつて、「人形送り」という風習で、同様の行事を行っていたが昭和期に廃れたという。

 今回初めて大助人形を飾り付けたのは、「新型コロナに対する願いを、武神をまつる私どもらしい形で表現したかった」と同神宮の中嶋勇人さん。制作は、常陸太田市で大助人形の風習を続けている同市上宮河内町の菊池明徳さんと菊池好道さんに依頼した。8月18日まで飾られ、終了後は、たき上げし、その灰を御手洗川に流す予定だという。

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