織姫、彦星が逢瀬した「七夕磯 たなばたいそ」 会瀬海岸(茨城・日立市)
織姫と彦星が降り立ったとの伝説が残る七夕磯(写真は日立市広報戦略課提供)

茨城再見聞 
 日立市の会瀬(おうせ)漁港の沖合に、その昔、織姫と彦星が舞い降りたという伝説が残る「七夕磯」がある。あすは、“2人”の年に一度の逢瀬の機会である七夕。

 同磯の場所は、漁港の東側の堤防の先。岸から約400m先まで広がる広い磯。2011年の東日本大震災の際の地盤沈下で、満潮時は姿が見えなくなった。

 七夕伝説の記述は、書物「会瀬旧述」にある。同書は、江戸時代、会瀬鹿島神社の神官を兼ねていた成沢鹿島神社の神官・瀬谷義文がまとめた。七夕の伝説のほか、その伝説が会瀬海岸の名前の由来になったことなどが書かれてある。

 この伝説の原点は、奈良時代に編さんされた地誌「常陸国風土記」にあるという。同誌には、この場所で、天皇と皇后さまが会ったとの記述がある。地元史に詳しい同市相賀町の皆川直司さん(87)は、「天皇と皇后さまの出会いを、七夕伝説に転じて地域に残したのでしょう」と、推察する。

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