祭りが、山車が、大好き こつこつと模型を作る市原さん(茨城・潮来)
自作した山車の模型と市原さん

 潮来市上戸の会社員、市原巧椰(たくや)さん(21)の趣味は、山車の模型作り。これまでに完成させた2台は、それぞれ高さ60㌢前後。モデルは、同市の下壱丁目と、鹿嶋市の仲町の山車だ。

 自分で撮影した山車の写真を参考にしながら、ホームセンターなどで木材を集めて、加工し、組み立てる。車輪は、本物と同様に、木材を組み合わせて円形に仕上げた。作品に乗る山車人形は、紙粘土で胴を作って手作りの着物を着せた。1台を仕上げるのに1年以上かけたという。

 原動力は、並み外れた祭り愛だ。小学校低学年当時に、父親に連れられて見た潮来市の潮来祇園祭礼の様子は、今も忘れない。「たくさんの大人が夢中になっている様子に驚いた」と市原さん。中学生になると、地元のはやしグループに加入。高校からは、下壱丁目の山車を引く一員として祭りに参加している。

 山車の模型を作り始めたのは、高校生になってからで、下壱丁目の山車が最初の作品。SNSに写真を掲載することはあるが、どこかに展示したり、懸賞に応募したりする予定はない。「ただ好きなだけ」と笑う。

 新型コロナウイルスの影響で、潮来祇園祭礼は2年連続で中止になっている。寂しい思いを募らせる市原さんは、3台目の模型となる鹿嶋市の桜町の山車の制作に励むほか、はやしで使う篠笛を練習するために、土手に向かうことも多いという。

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