四季をまたぐ収穫期の序盤 北浦湖岸のハス田(茨城・行方)
収穫して水洗いしたつややかなレンコンを見つめる茂木孝さん(手前)と、息子の悠紀さん。

茨城再見聞

 行方市の北浦湖岸のハス田で、レンコンの収穫が始まっている。今年の猛暑はレンコンの成長には好材料で、「大きいし、甘みが強いよ」と、同市中根のレンコン農家、茂木孝さん(67)。

 レンコンは、輪切りにすると穴が開いているため、先を見通す縁起物とされ、正月食材に欠かせない。そのため、年末が収穫期と捉えられがちだが、実際には、7月下旬から、春先までと長い。9月上旬までの、収穫期序盤のレンコンは、地元で新蓮(しんばす)と呼ばれ、部位によっては生で食べられるという。

 代々タバコ農家だった茂木さんは40年近く前に、自家用の米を作っていた水田を掘り起こしてレンコンと、セリの栽培を始めた。息子の悠紀さん(35)と共に作業するようになったころに、作業効率と世の中の流れを読んでレンコンに一本化した。「農業といってもマイペースではだめ。時代の変化を読む知恵は必要」と、茂木さん。

 胸まで水に漬かる収穫作業は、夏は快適かといえば、「長靴のなかは汗だくだよ。うちは冷たい地下水をくみ上げているから、少しは助かるけど」と2人。

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