わが町の戦災伝え合う 市民グループが朗読などの催し
心を込めた朗読で紙芝居を披露した

 76年前、艦砲射撃を受けたひたちなか市の戦災の記憶を伝えようという朗読会「かんぽうの日 平和のための朗読会」がこのほど、同市勝田中央の市民交流センターで開かれた。当時の様子を伝える紙芝居などが披露され、約20人の来場者に、平和について問いかけた。地元の戦災を学んでいる市民グループ「かんぽうの会」(11人)が初開催した。

 1945年7月17日深夜、市内は米軍からの艦砲射撃を受け、110人あまりが亡くなった。

 冒頭で、艦砲射撃の狙いと被害について、那珂市史編さん専門委員の高橋裕文さんが講演した。

 紙芝居は、市民グループのメンバーが、市内で艦砲射撃を体験した故・大谷和子さんが手作りした「この町でみた戦争・そして平和」を上演。艦砲射撃は「雷が一度に何個も落ちたような」音がしたこと、翌日に母を亡くした悲しみ、ふと見た空の青さや花の優しさに心打たれたことなどをつづった作品。沖縄や平和がテーマの詩や、絵本の朗読も行った。

 最後に、来場した人たちからの感想を聞く時間を設けた。市内の矢萩幸子さん(78)は、艦砲射撃の砲弾の破片が自宅に飛んできたという。「あらためて戦争の悲惨さを感じた。これからも伝えていってほしい」と話していた。

 「メンバーは戦争を知らない世代が中心。自分の住む街を知ることは、よい街づくりにつながると思う」と、グループ代表の武藤きよ子さん(77)。

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