夢のふうりん食堂初開催 元看護師、矢口さんが協力者らと共に(茨城・水戸)
出来上がったおかずを弁当に詰める矢口さん

 水戸市元吉田町の吉田市民センターでこのほど、子どもや高齢者に手作りの弁当を無料配布する大人・子ども食堂「ふうりん食堂」が初めて開かれた。発案者は、地元の主婦、矢口節子さん(74)。「好きな総菜作りで、地域の役に立てたら」との矢口さんの夢に、地域が協力して実現した。

 矢口さんは、看護師として働いた後、結婚。その後は、60歳までの約20年間、地元スーパーで総菜コーナーを担当した。矢口さんは、数年前に夫を亡くし、1人暮らしになった。胸の奥にあった夢を、思い出すようになった。

 夢が動き出したのは、近所の訪問看護ステーション「ふうりん」の看護師佐野理恵さん(42)と夫の仁彦さん(56)と知り合ったことがきっかけ。2人は、矢口さんの夢を知り、「やってみようよ」と提案。子どもと高齢者向けに弁当を無料配布する食堂を開くことに決め、助成金を申請したり、開催を知らせるチラシを作ったりと、協力してくれた。

 開催当日は、調理を手伝うボランティアが10人ほど集まった。弁当に入れた総菜は、卵焼き、鶏の唐揚げ、ポテトサラダなど5品。矢口さんは、メニューをあれこれ考えて、迷って眠れない日もあったという。目指したのは「親戚のおばちゃんの味」。「おなかいっぱい食べてほしい」と、容器からはみ出すほどのボリュームで盛り付けた。

 用意した弁当50個は、すべて“売り切れ”た。矢口さんは、「みんなの協力のおかげ」と、集まった人たちに笑顔で感謝した。

 なお、ふうりん食堂の活動は今後も、同センターで月1回の予定で開催。次回の開催日は12月23日。問い合わせは、一般社団法人ふうりん☎︎029・350・6015。

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