菓子のサクラは、もう咲き始め 水戸の「菓匠にいつま」と行方の「菓心松屋」(茨城・水戸市、行方市)
「さくら餅で春を先取りして」と、新妻さん

  水戸市堀町の「菓匠にいつま」は今、さくら餅の最盛期の“前夜”といった時期。

 今季最初にさくら餅を並べたのは1月2日。当初は1日あたり30個ほどを用意。それが、2月には50個前後になり、3月には一気に1000個になる。

 同店2代目の新妻則夫さん(55)は、「店内は、一足先にサクラが満開になります」と笑う。

 同店のさくら餅は、「さくら餅」と「道明寺」の2種がある。さくら餅は、薄紅色の皮であんを包んだもの。道明寺は、関西風のさくら餅。もちにつぶつぶが残るのが特徴だ。それぞれ55年前の創業当時からの作り方だという。

 さくら餅は1個190円、道明寺は1個250円。同店029・251・8772。

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 行方市山田の「菓心松屋」は今月初め、ショーケースの上段の一番目立つところに、さくら餅を置いた。横には「桃の節句を楽しみましょう」という気持ちを込めたポップが添えられた。

 

「サクラの葉の形に注目して」と、榊原さん

 

 同店のさくら餅のこだわりの一つは、見た目の中にある。それは餅を包むサクラの葉の先端が、ピンと伸びるようにすること。同店の社長、松信吉洋さん(62)は、「ほんのささいなことと思うでしょ。でも、和菓子は心も満たすものだから」と話す。

 見習い和菓子職人の榊原真里奈さん(26)は、同店の和菓子が大好きで昨年入社した。「お店に並ぶ和菓子を定期的にチェックするだけでも四季が楽しめます。以前は食べるだけが楽しみだったけれど、お店に入って和菓子の奥深さを知りました」と目を輝かせた。

 さくら餅は、1パック3個入り450円。同店0291・35・2646。

 

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