ものまねの原点は歌への愛 テレビで活躍 のど自慢鉾田大会でグランプリ(茨城・水戸)
マイクに向かう米川さん。衣装も髪型もLiSAさんを意識している

 水戸市見川の米川真里絵さん(34)は、歌ものまねが得意な歌手として、テレビの人気番組に出演することも多い。ホームグラウンドは、土浦市のものまね居酒屋「歌芸夢者(かげむしゃ)」で、依頼に応じて全国のステージに出張する。

 自身で付けた肩書きは「ものまねシンガー」。歌ものまねとオリジナル曲の両方の歌手という意味を込める。活動はさらに多彩で、作曲家が書き下ろしたばかりの曲に仮の歌を吹き込む「仮歌歌手」だったり、CM曲を歌ってみたり、「歌ってみた」系のユーチューバーでもある。

 レパートリーは、最新ヒット曲と演歌も含む50曲前後。最近好評なのは、アニメ「鬼滅の刃」の主題歌を歌うLiSA(リサ)さんの歌ものまねだ。

 鉾田市で暮らした幼少期から、各地のカラオケ大会に出掛けた。やがて歌手になる夢を膨らませ、レコード会社やテレビ番組のオーディションに次々に挑戦した。2010年に鉾田市で開かれたNHKのど自慢では、グランプリを受賞。“歌える仕事”を求めて、バスガイドをしていた時期もある。

 一時は、自分を追い詰めるようにして、夢を追ったが、いつも「歌うことを純粋に楽しむ気持ち」は傍らにあった。その気持ちの延長に歌ものまねがあった。

 子どもの頃に大好きだったグループが「SPEED(スピード)」。青春時代に憧れたのが浜崎あゆみさん。当時、カラオケなどで、それぞれの歌を歌ったときにも、「無意識にまねていて、『似てる』と言われるとうれしかった」。しかし、プロの歌ものまねでは、別世界のレベルを求められた。

 レパートリーは、「1000回以上聞き込む」。声質だけでなく、呼吸のタイミング、声量の波など、ポイントは数え切れない。見た目も重要。「練習で、鏡に向かう様子は人には見せられない」と笑う。試行錯誤の日々の中で、「ストンと納得できるときがくる」という。初披露の時はいつも、「とっても緊張する裏で、わくわくしている」。

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