港町の愛情込もる看板品 「かあちゃんの店」の釜揚げしらす丼(茨城・大洗町)
同店のシラス丼。店では、「釜揚げしらす丼定食」として提供している(あら汁と漬物付き、1300円)

 大洗町磯浜町の同町漁協直営食堂「かあちゃんの店」の看板の一つは、シラスを使ったメニュー。シラスは、春から秋が旬で、秋のシラスは、釜揚げにすると、輝くような白色になり、ふっくらとして、甘みがあるという。

 「ほかほかご飯にたっぷりのせて、丼にするのが一番」と話す同店の飛田住子さんに作り方を聞くと、「ご飯にのせるだけ。簡単だよ」と笑った。

 「でも、手抜きはだめ。盛り付けに一手間かけると、見た目もきれいで、よりおいしいよ」と、飛田さん。飛田さんは、同町漁協女性部副部長でもある。

 同店は、女性部の“かあちゃん”たちで切り盛りしていて、最年長は80代。

 かあちゃんたちは、早朝からの浜の仕事に、家事に、店の仕事にと、毎日忙しい。シラス丼は、そんなかあちゃんたちにとっての心強い味方でもある。「シラス丼があれば、ほかにおかずはいらないし、栄養もたっぷり」。飛田さんは、2人の息子のかあちゃんだ。子育て中も、数えきれぬほど食卓に並べた。

 

飛田さん(右)と、大洗町漁協の根本竜馬さん

 

 同店では、水揚げされたばかりの新鮮なシラスを大釜でゆでて釜揚げにする。手間はかかるが、「父ちゃんたちが漁をしてきた魚を、おいしく食べてほしい」との気持ちが背中を押す。

 ゆでる時に入れる塩は控えめなのは、かあちゃんの優しさだ。

 

作ってみよう

 

  • 釜揚げシラス丼

 ①ご飯に、細く切ったのり、シラスをのせ、生卵の黄身を真ん中にのせる。細かく切った万能ネギをちらし、しょうゆをひと回し。好みでショウガやわさびを添えてもいい。

 かあちゃんの店=大洗町磯浜町8253の20 ☎029・267・5760 〈営業時間〉午前10時~午後2時 〈定休日〉月曜(祝日の場合は営業し、翌日休み)

 

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