古墳の謎に宇宙線で迫る 小学生から高校生が測定器設置(茨城・東海村)
設置した測定器(手前)の周辺で、ポーズを決めたメンバー

 東海村村松の古墳「舟塚古墳群2号墳」の内部を探るための測定器がこのほど、同古墳近くに設置された。
 測定器は、宇宙空間を飛び交う放射線・宇宙線のミュオンを利用したもの。ミュオンは、物質を貫通する特徴があるため、古墳を破壊せずに内部の調査ができる。エジプトのピラミッドの調査でも用いられている。同村によると、ミュオンを使った古墳の調査は東日本では初めてとなる。同古墳は、墳丘長約75mの前方後円墳。
 測定器を設置したのは、小学生から高校生までの26人でつくるプロジェクトグループ。同村が希望する子どもたちを募って結成した。活動には、村内の加速器実験施設「J−PARC(ジェイパーク)」の研究者をはじめ、茨城大、東京都立大などの物理学者、考古学者らが協力している。
 測定器は、高さ1m、幅1・5m、奥行き1・3mの箱型で、重さは200kg。設置した場所は、同古墳の南側。現場を実際に歩くなどして調査して、場所を決めた。
 プロジェクトでは、測定器をさらに1台製作予定。「2方向から調査することで、より正確なデータが得られるはず」と、同村生涯学習課の中泉雄太さん(38)。
 千葉県から参加している中学3年生の押尾源真さん(14)は、「どんな結果が出るのか、今からとても楽しみ」と、目を輝かせた。

 

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう