常陸太田市小菅町の道の駅さとみで、若き新規就農夫婦の挑戦が始まっている。
夫婦が生産するのは、自然栽培のハーブ。主な出荷先は、都心のこだわりレストランだ。
最初の挑戦は、同市の旧里美村地区で有機栽培などのこだわり野菜を生産する農家仲間らの作物、加工品を販売すること。夫婦が栽培するハーブも含まれる。
夫婦らの野菜は、生産量も販路も限定されているため、一般の人が気軽に購入するのは難しい。同道の駅の場合は、夫婦が店に立つことが多いため、各農家の野菜の特色などの説明を受けられるという特典もある。また、「品切れの場合は、各農家に即時仕入れに行くこともある」と夫婦。
今後は、同道の駅の飲食コーナーを、有機野菜を使ったメニューを看板にするカフェにしたり、各種のイベントを実施したりも計画している。ゆくゆくは、道の駅の運営自体を任されることになっている。
夫婦は、つくば市出身の服部真太朗さん(41)と、北海道出身の千佳さん。夫婦が運営する農園の名前は、「ナチュラル・ハーブ・ファーム 暦ノ物語」という。
真太朗さんは4年前に同市で就農。千佳さんは2年前の真太朗さんとの結婚を機に、同市にやってきた。
真太朗さんはつくば市で、バーを営んだ経験がある。自ら腕をふるうイタリアンが自慢だった。別の世界を経験したいと移転したのが鉾田市。そこでハーブ農園でアルバイトしたことが今につながる。「縁に導かれて初めて里美地区に来たときは、アニメのジブリの世界のようだなと思った」と真太朗さん。
こだわり野菜を出荷する農家仲間は8組。出荷農家の1つで、服部さんが里美地区にやってくるきっかけをつくった北山聡子さんは、「8組は、何かにつけては顔を合わせて、意見を出し合っている。それぞれの特技を生かして、全体がいい方向に進んでいければ理想」と話している。
道の駅さとみは火曜定休。午前9時~午後4時半。☎0294・82・2100。