常陸大宮市小野のJA常陸奥久慈枝物部会の出荷施設で、桃の節句を彩るハナモモの出荷が最盛期だ。今年は、全国の15の市場に16万束を出荷する。
出荷するハナモモは長さ60~80cmの枝に、ピンク色のつぼみが無数についた状態。出荷時には、それら7本前後を1束にして50束にまとめられる。
出荷に至るまでの開花の調整は、同部会ハナモモ生産者の“腕の見せどころ”。目指すは、消費者の手元に届いて数日で開花すること。調整は、促成室と呼ばれる温かい部屋で行う。調整期間中は、自宅と出荷施設を1日に何度も往復する。
長年培った技術は、他の植物にも応用され、昨年12月には、水戸市で開かれたG7(先進7カ国)内務・安全担当大臣会合の会場で、サクラを開花させた。
作業場は、テニスコート半分ほどの広さ。そこに10~30人が集まる。30~40歳代の若手会員も多く、ときには笑い声が聞かれる。長山哲也さん(38)は、「チームワークは最高」と話し、会長の石川幸太郎さん(73)は、「皆さんの手元に届くのが楽しみ」と笑顔で話した。