職人の気概伝え大賞 明治創業の酒蔵が開いた多機能施設(茨城・笠間市)
長屋の中のスペースの一つ、カフェ「茶寮 き楽(らく)」

  笠間市稲田の磯蔵酒造が敷地内にオープンした施設「日本酒文化長屋 磯蔵~Locaboire(ロカボア) ISOKURA~」がこのほど、県主催のデザインコンテスト「いばらきデザインセレクション2023」で、最優秀の大賞に輝いた。

 同酒造は、創業明治元年。同施設の内外観やコンセプトにも、酒造りを通して受け継がれた職人魂が見て取れる。

 酒や笠間焼のギャラリー、カフェ、宴会会場などの複数の機能を持ち、一般の利用を受け付けている。

 もとは、大正時代に建てられた蔵。酒米を保管するのに使っていた。

 改修には、約2年を費やした。こだわったのは、「大正時代にあった材料と、昔ながらの建築技法を使うこと」。趣旨を理解する職人など約20社の協力を得た。工業製品ではなく、木や土、鉄や紙などを主な素材にして行った。

 同酒造5代目蔵主の磯貴太さん(51)は、「酒も建物も、職人による手作り。職人の手作りに宿る熱意や魅力は、機械で作ったものには負けないという気概も込めました」と、話している。

 いばらきデザインセレクションは、県のイメージやブランド力を高める優れたデザインを表彰するもので、今回で19回目。今回は、過去最高の142件の応募があった。

 同施設の営業は、午前11時~午後6時。火、水曜定休(祝日の場合は営業)。同施設☎0296・71・5221。

 

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