ピーマンの一大産地・神栖市では、ピーマンを丸焼きにして食べると聞いたことがある。焼き方を教わろうと、同市矢田部の原秀吉さんの農園を訪ねると、卓上の網焼き器が置いてあり、「ほら、簡単だから、やってみな」と、妻の範子さん。若竹色でつやつやのピーマンと、箸を渡された。
秀吉さんは、ピーマン農家の3代目。実は丸焼きは、家庭の食卓にはあまり上らなかったそうだ。以前、テレビに出演した時、「面白いレシピを一つ教えて」と言われて思いついた。「種にも栄養があることを知ってほしかった」と、範子さん。
炭火で焼くのが一番おいしいというが、家庭だったら、卓上の網焼き器や魚焼きグリル、オーブントースターで十分。焼けたじゅわっという音とともに、ピーマンのさわやかな香りが立った。ノートにメモしていると、「よそ見しないで。ほら、もう焼けてるよ」と、秀吉さん。
皿に盛り、かつお節をのせて、めんつゆをかけていただく。かぶりつくと、ピーマンの甘みが口の中に広がった。種も香ばしい。3個をぺろりと平らげた。
「調理が簡単で、量をたくさん食べられるのもいいところ。栄養たっぷりのピーマンで暑い夏を乗り切って」と、2人。
ピーマンレシピ2種
ピーマンの丸ごと焼き(上写真)
〈材料〉
ピーマン、かつお節、めんつゆ
〈作り方〉
①ピーマンを水洗いする
②水を切ったピーマンを火にかける。卓上網焼き器のほか、魚焼きグリル、オーブントースターを使う。ピーマンは転がしながら焼き付ける面を変えていく
③好みの焼き加減になったら、火を止めて器に盛り、かつお節をのせ、めんつゆをかける
ピーマンのおひたし
〈材料〉
ピーマン、かつお節、めんつゆ
〈作り方〉
①ピーマンを水洗いし、縦半分に切って、へた、種、わたをとる
②フライパンに水を入れて火にかけ、沸騰したら、ピーマンをさっと軽くゆでる
③ゆでたピーマンを氷水にとり、水を切って細切りにする。器に盛り、かつお節をのせ、めんつゆをかける
おひたしは、丸ごと焼きと同じ材料で作れる。氷水につけるひと手間が、よりおいしくしてくれるという。「ピーマンのビタミンCは加熱しても壊れにくい。ピーマンで美肌に」と、範子さん。
斉藤さんはどんな人?
原秀吉さんと範子さんが育てるピーマンのこだわりは、肉厚で、苦味が少ないこと。
調理師の免許を持つ範子さんは、料理が得意。ピーマンのおいしさを伝えようと、アイデア料理も考案している。以前には、粉末状にした同園のピーマンを水あめに練りこんだキャンディー「ピーキャン」を開発。神栖市の地域特産品に認定されている。
同農園のホームページアドレス http://harahideyoshinouen.com/