75歳・片桐さん 「最後」って本当? 第71回勝田全国マラソンのフルマラソンの部で完走(茨城・水戸市)
両手を挙げて喜びを表した片桐さんのフィニッシュ

 水戸市けやき台の片桐美知子さん(75、ルネサンス水戸)は、1月28日にひたちなか市の石川運動ひろばをメイン会場に開かれた第71回勝田全国マラソン大会のフルマラソンで、完走した。茨城県勢女子70歳以上の完走者は、3人だけだ。

 タイムは5時間40分14秒。トレードマークの日よけ付きのキャップをかぶって、満面の笑みでフィニッシュした。

 一方、フィニッシュ直後に、「今年で最後だよ」と弱気な言葉も漏らした片桐さん。一息ついた後に、フルマラソンを走りきるパワーの源と、「最後」という言葉の真意についてインタビューした。

 

 −75歳での完走の感想は。

 完走はうれしいけど、年齢はまったく意識していない。

 マラソンをはじめたのはいつ。

 55歳のとき。子育てがひと段落した頃で楽しみを探していた。スポーツジムのランニングマシンで、5分間走り続けることが最初の目標だった。

 最初の大会は勝田全国マラソン大会の10km。完走はできたんだけれど、周りのペースに引っ張られてしまって、息が苦しくて、苦しくて。フルマラソンの方がのんびり走れるかと思って転向した。

 最初のフルマラソンは57歳のとき。やっぱり勝田全国マラソン大会。なんとか完走できた。それからはほぼ毎年、フルマラソンに出ている。

 マラソン以外のスポーツ歴は。

 高校、大学は、真面目にテニスをしていた。その後、水泳もしたけど、楽しむのが第一目標だった。

 マラソンは、楽しむのが第一目標ではないのですね。

 60歳代前半までは楽しむのが第一目標だった。その後は、楽しみばかり求めていては完走できないから、年々、真面目さを増している。

 普段のトレーニング内容は。

 週に2、3回、友達と一緒にジョギングする。最低でも10km、長くて20km。のんびりゆっくりだよ。

 一番気をつけているのは無理をしないこと。無理してけがをしたり病気になったら、マラソンができなくなってしまうから。週に3回以上は絶対に走らない。

 食事など生活面で気をつけていることはある。

 体質のせいか、若い頃から太れない。だから、意識してたくさん食べている。もうちょっと太れたら、もっと早くなれる気がしている。

 あとは、なんでも楽しむようにしている。ピアノはマラソンの前からの趣味で、3月に発表会がある。緊張するけど楽しみ。

 75歳まで続けられた理由は。

 マラソンが好きなことと、素晴らしい仲間に恵まれたこと。仲間の多くは所属するスポーツクラブのルネサンス水戸で出会った人たち。仲間には、どんなに感謝しても足りないと感じている。

 本当に今年で最後。

 本当よ。「今は、二度と出るもんか」という気持ち。42kmの間、とっても大変だったから。

 でもね、しばらくすると、大変さは忘れてしまって、裏側にある達成感とか、みんなと喜びを分かち合う楽しさとかが恋しくなってくるの。毎年、その繰り返し。

 75歳なのに、大人げないね。

 

 

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