ひたちなか市のJR勝田駅東口の昭和通りを明るく彩るイベント「ヤーンボミングdeひたちなか」が、開催されている。2月14日まで。
ヤーンボミングは英語で、直訳すると「糸爆撃」となるが、実際は、明るく温かな取り組み。
発祥は、欧米とされ、道路や公園などの公共物を、彩り豊かな編み地(平らな編み物)でくるむストリートアート。ベンチ、看板、消火栓、フェンスなど、開催場所に応じて、さまざまなものが彩られる。
開催中のひたちなか市のヤーンボミングでは、昭和通りに点在する16基のフラワーポット(大型の植木鉢)などを編み地でくるんでいる。1基をくるむ編み地は80㌢×3㍍60㌢の大きさ。
主催したのは、同市、水戸市、那珂市、日立市の編み物作家の女性5人組で、「あみもんどころ」という団体名で活動する。
5人はもともと、それぞれにあみぐるみほかの作品を手がけていた。SNSなどを通して知り合い、交流を深めるなかで、「茨城を編み物で盛り上げたいという共通の願いを抱いた」と、メンバーで今回のイベントの発起人の河本珠美さん(=写真左、43)。これまでにも、愛好家を一堂に集めて「ただひたすらに編み物をする」というイベントなどを開いた。
ヤーンボミングの案が出たのは、昨年の夏。しかし、膨大な量の編み地を用意する必要があり、5人だけでは実現不可能。そこで、15㌢×15㌢の編み地をSNSで募集し、メンバーでつなぎ合わせることにした。すると全国各地の愛好家から、2000点を超える編み地が、予想よりずっと早く集まったという。
編み地の色や柄は自由で、協力者の多くは、それぞれの個性を発揮したり、会場となるひたちなか市をイメージしてコキアやネモフィラをモチーフにした作品を寄せたという。5人は、「町の風景の一つとしてのヤーンボミングもかわいいし、編み地一枚一枚も、とってもすてき」と話している。