絵画で人に尽くしたい コレクターの大盛さん 施設などに無料貸し出し
麻生公民館ギャラリーで、大盛さん

 「世界のアート作品を無料でレンタルします」。行方市の会社員で絵画コレクターの大盛浩典さん(58)はこのほど、収集した絵画を、高齢者施設や病院、学校、事業所など法人を対象に無料で貸し出す取り組みを始めた。

 場所にもよるが、数点を貸し出したり、月ごとの作品の入れ替えも予定。「芸術作品に触れて、ひととき心を癒やしてもらえたら」と大盛さん。

 現在は、同市麻生の麻生公民館のギャラリーに、米国の画家トーマスマックナイトの版画9点を展示。会場には、絵画の貸し出しの希望を募る文書も設置している。展示は9月27日まで(月曜休館、21日は開館。午前9時~午後5時)。

 絵画収集のきっかけは、大学卒業後に勤めた東京の出版社の周辺に、画廊が多かったこと。一目ぼれして3か月分の給料をためて購入したこともあった。神栖市内の会社に転職した後も、絵画を愛する趣味は続いた。

 絵画の貸し出しを思いついたのは、定年退職後に何をしようかと考えていたとき。晩年は介護施設と病院とを行き来していた亡き祖母のことを思い出し、「絵が1枚あったら、少しだけれど楽しめたかもしれない。集めた絵で、役に立てるかもしれないと思いました」。

 定年後に取り組むつもりだったが、コロナ禍を受けて、まずは医療機関や子どもたちの応援をと、活動を始めた。7月には、絵画の貸し出し希望を募る展示会を市内で開催。ラッセン、山下清など900点のコレクションから200点を展示、約100人が来場した。

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