地域を守り、守られる神社 修復が終盤 近所の理容師が奮闘(茨城・ひたちなか)
鷹房稲荷神社で意見を交わす深作さん(写真右)と地元協力者の清水将徳さん

 ひたちなか市和田町の鷹房(たかふさ)稲荷神社の修復作業が終盤にさしかかっている。

 取りまとめているのは、近所で理髪店を営む深作光男さん(73)。深作さんは、「修復資金の面では、まだ不安が残る。協力してくれる人がいると良いのだが」と話している。

 同神社は大正13年、同地域の船主たちが資金を出し合い、漁の安全と大漁を祈願して建立。昭和22年の那珂湊大火で消失したが、翌23年に再建した。その後、管理者がいなくなり、近年は損傷が目立っていた。

 深作さんは、ひょんなことから、取りまとめ役となった。

 きっかけは、昨年の冬、深作さんの客の1人が、行方が分からなくなっていた同神社のご神体を保管しているのが判明したこと。客の祖父が那珂湊大火の際に、延焼を心配して避難させて、そのままになっていた。

 深作さんは、「ご神体を戻すだけなら、すぐにできることだったが、湊の人たちの心を支えたご神体と神社を、昔のままのきれいな形で一緒にしたかった」と話す。

 深作さんは、地域に修復資金を募る寄付を呼びかけたり、神社の歴史を調べたりと奔走した。

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