市民にインタビューする矢吹さん
市民にインタビューする矢吹さん(右)。故郷の福島なまりが緊張をほぐす

 高萩市のコミュニティーFM局「たかはぎFM」の理事であり、局長であり、営業マンでもある矢吹勉さん(70)だが、実際の仕事ぶりは、地域の現場に張り付く地ネタ専門レポーターという様子だ。

 同局の資料棚に、矢吹さんがまとめている「高萩情報」というファイルが並んでいる。内容の大半は、矢吹さんが出掛けた地域イベントなどのレポート書類。写真がふんだんに盛り込まれ、関連資料もとじられている。

 放送原稿ではなく、「パーソナリティーさんに手元に置いてもらって、何かのタイミングで役立ててもらえれば」と、矢吹さん。そのファイルを制作するために、プライベートの時間を費やすことも多いという。

 同局に勤務して6年。同局の聴取者らには、土・日曜に放送されている番組「高萩なう」の「市民の方々のインタビューでの声」の聞き手といえば、イメージできるかもしれない。故郷の福島県のなまりを残す話し口は、人をほっとさせる。インタビューは週末のイベントなどでとりためているものだという。

 

 電気機器メーカーで長年、研究者として活躍した。傍らで自然を愛し、現在も県野鳥の会の副会長を務めている。定年退職後、地域のNPOなどで活動した縁で、同局で働くようになった。

 現場主義は、研究者や野鳥観察者の経験から染み付いた姿勢だという。「両方とも、現場の様子と変化が大切で面白いから」

 同市といえば、花貫渓谷の紅葉で県外からも注目を集める時期を迎えている。矢吹さんが「高萩情報」のファイルに盛り込んだ紅葉関連レポートは、10月中旬に始まっていた。最初は、渓谷のごみを拾う地域住民の姿。紅葉の直前に川辺に咲くというダイモンジソウのレポートもあった。

 先週から、紅葉の現場レポートが始まっている。「駐車場の混み具合なども大切な情報」。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の呼びかけも肝心となる。

 

 研究者にとっての研究成果、野鳥観察者にとっての観察結果に相当するのは、放送内容だと考えている。だから、一番うれしいのは、インタビューをお願いした人などからの「いつ放送されるの?」という問い。「期待してくれている証しでしょ。私だけでなく、たかはぎFMのみんなが、この問いが大好きで、誠心誠意お応えしています」

 

 ◼︎たかはぎFM◼︎
 周波数は76.8メガヘルツ。高萩市全域で聞けるが、山間部など一部で聞きにくいこともある。「リッスンラジオ」というアプリでも聞ける。
 2011年にたかはぎさいがいFMとして開局。13年からたかはぎFMに。
 午前7時~9時のモーニングスイッチ、正午~午後2時のたかはぎランチタイムが柱。高萩なうは、土・日曜の午前9時~10時、午後3時~4時に放送

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