間もなく到来 いつもの秋 西蓮寺のイチョウ(茨城・行方)
黄葉に染まる西蓮寺のイチョウ。昨年より以前の見頃の時期に撮影(行方市提供)

 イチョウの黄葉の名所として有名な行方市西蓮寺の西蓮寺に、黄葉の進み具合を尋ねる電話が増えている。近年は、同寺が管理するSNSのインスタグラムを通した問い合わせも多いという。「SNSというと若い人ばかりと思われますがとんでもない。私の親世代やそれ以上の人も多い」とは、同寺院代でSNSの担当者でもある嘉堂英源(かどう・えいげん)さん(35)。

 注目を集めるイチョウは、境内に2本ある。それぞれ1号と2号と呼ばれ、樹齢は1000年以上。老木のイチョウの特徴でもある「チチ」も確認できる。

 今月下旬の見頃になると、境内は一気ににぎやかになる。一般見学者のほか、カメラマンも大勢やってくる。近所の玉造第二保育園の子どもたちも散歩がてらに訪ねてくる。

 見頃の後半に入り、イチョウの葉の黄色いじゅうたんができあがると、子どもたちは大喜び。初雪が降り積もったときのように、両手で落ち葉をつかみ、空に巻き上げる。それを見て喜ぶのがカメラマンたち。イチョウの黄色と、子どもたちの笑顔、秋空の青も構図に収めようと、シャッターを切る。

 一部始終を優しく見守るのが、1号イチョウの近くにある2体の子安観音。子安観音はマリア観音とも呼ばれ、かつてキリスト教が禁制だった時代に、隠れてキリスト教を信仰した“隠れキリシタン”たちが礼拝したもの。2体をよく見ると、それぞれ子どもを抱いている。

 12月上旬までの見頃を過ぎてしばらくすると、玉造第二保育園には、子どもたちとイチョウを収めた写真が、何枚も届くという。撮影したカメラマンからの礼だ。

 

御朱印西蓮寺で、イチョウの黄葉の時期限定で授与している御朱印

 

+アルファで訪ねたい

 同寺から近い同市観光物産館「こいこい」(同市玉造甲)と天王崎観光交流センターコテラス(同市麻生)では、12月5日までの日曜に、霞ケ浦で運航する観光帆引き船の見学船の乗船希望者を受け付ける。乗船できる人数には限りがあり、事前予約が可能。「秋は、乗船希望者が増える。事前予約してお出かけください」と同市まちづくり推進機構。

 

帆引き船風をはらむ帆引き船(同市まちづくり推進機構提供)

 

 帆引き船は、かつての霞ケ浦漁業の花形の船。巨大な一枚帆で風を受けて、船を横滑りさせながら網を引いた。1967年までの約100年間操業していた。

 観光帆引き船は、操業当時と同じ船を運航し、間近を行く見学船から眺めるもの。見学船への乗船時間は約40分。

 運行は午後3時半。参加費大人2000円。同推進機構(平日のみ)☎︎0299・57・6621。

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