正庁の正席の間
正庁の正席の間。渋沢の講演が行われた場所と推測されている

茨城再見聞

 「日本資本主義の父」とも呼ばれ、放映中のNHK大河ドラマ「青天を衝(つ)け」の主人公としても話題の渋沢栄一(1840~1931年)は、1916年5月28日、水戸市の弘道館で講演を行っている。

 渋沢は、実業家としての活動と並行して、養育院事業など多くの社会事業に携わっていた。同館での講演も感化事業(児童自立支援事業)の一環で行ったもの。講演した場所は、正庁にある正席(せいせき)の間と二の間と推測されている。

 記録によると、渋沢は、水戸駅で知事や市長などの出迎えを受け、人力車で、弘道館馬場跡にあった県産品の展示場2階の「水戸公会堂」へ。昼食後、徒歩で同館に来て、孔子廟(びょう)を見学し、園内を巡回してから講演会の会場に入ったという。

 同館の至善堂も、渋沢ゆかりの場所とされる。同所は藩主の休息所で、大政奉還後、徳川慶喜はここで謹慎生活を過ごした。渋沢は幕末期、慶喜に仕えていた。

 「栄一に思いをはせながら、弘道館内や水戸を歩くと、新たな角度で楽しめるのでは」と、同館の瀬戸祐介さん。同館では12月まで、渋沢と水戸との関わりをパネルで紹介する企画展が開かれている。

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