天日が育むつやと甘み 浅倉さんの干し芋(茨城・鉾田)
袋詰め直前の同店の干し芋。黄金色に輝いている

 鉾田市玉田で干し芋製造販売店「絶品ほしいも 寿(ことぶき)や」を開く浅倉朋子さんは、今季の干し芋作りの真っ最中。サツマイモの甘い香りが漂うビニールハウスの中では、丁寧にスライスされた芋たちが、天日干しされている。

 干し芋は、家庭でも作れる。作り方のコツは、「工程の一つひとつを丁寧に行うこと。あとは、太陽の光が日々おいしさを育ててくれますよ」と、浅倉さん。

 工程は、サツマイモを「蒸(む)す」「むく」「切る」「干す」の4つ。

①蒸す時間は、1時間半~2時間ほど。サツマイモはよく水洗いをしておく。竹串がすっと入れば蒸し上がり
②皮をむくのは、サツマイモが熱いうちに。冷めてしまうと、皮がむきにくくなる。また、皮を厚めにむくと、仕上がりの見た目がきれいになる。やけどをしないように手袋をして
③切るのは、サツマイモの粗熱がとれてから。包丁で、厚さは約1㌢を目安に
④切ったサツマイモを網などに並べて天日干しをする。5日~1週間ほど干せば完成。

 サツマイモの種類は、浅倉さんのおすすめは「紅はるか」だが、「お芋によって、味も食感も色もみんな違う。好みの品種を探してみて」。

 浅倉さんは、店を始めるずっと前から、家庭で干し芋作りを楽しんでいた。自分が好物なこともあるが、3人の娘たちに、自然な味のおやつを食べさせたいと考えたのがきっかけだった。

 干し芋愛は、年々深まるばかり。7年前、娘たちが手が離れたこともあり、「干し芋作りを仕事にしたい」と宣言。夫も娘たちも驚いたが、「お母さんが挑戦したいなら」と、応援してくれた。

 販売する干し芋は、おいしさはもちろん、パッケージにもこだわった。以前から、「干し芋は女性ファンが多い。おしゃれな袋や箱に入っていたら、もっと喜ばれそう」との思いがあった。店のロゴは、書道家に頼み、やわらかく温かみのあるデザインに仕上げてもらった。

浅倉さんと、娘の千夏さん

浅倉さん(左)と、娘の千夏さん。干し芋は、こだわりのパッケージで包装する

 

 「あすはもっとおいしくなるかなと、ドキドキわくわくの毎日。楽しむことも、おいしさを育てるコツですね」

〈シリーズ終わり〉

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう