【教えて! お国のレシピ⑨】イタリアの「ピアディーナ」 ニコラス・マウリッツィさん(那珂)
ニコラスさんのピアディーナ

 水戸市姫子の「レストラン・アオヤマ」の副料理長、ニコラス・マウリッツィさん(30、那珂)は、母国のイタリアとアメリカの各地のほか、オーストラリア、ニュージーランド、地中海東部の島国キプロス共和国でも腕を振るった料理人。教えてくれたのは、「ピアディーナ」。ニコラスさんが生まれたイタリアロマーニャ地方の郷土メニューだ。

 練った小麦粉を円形に焼いたものに、生ハム、チーズ、野菜などを挟んで食べる。昼食や夕食にも、おやつにもなり、「みんな大好き」とニコラスさん。傍らで、妻の上金佳奈さん(26)と7か月の長女ソフィ乃愛(のあ)ちゃんがほほえんだ。

 

ニコラスさん一家

ニコラスさん一家

 

 作り方は、子どもの頃に一緒に暮らしていた祖母に教わったという。

 祖母は、料理に関心を持つきっかけになった人で、「物心つくかどうかのころ、最初に教わった料理は、パスタ。そのときのことは忘れない」とニコラスさん。

 祖母は、庭で近所の人と元気におしゃべり中だった。ニコラスさんが空腹を告げると、パスタの作り方を教えるから自分で作りなさいと言われた。その後も祖母は、庭でおしゃべりを継続しながら、「鍋の水がぼこぼこしてきたら、お湯になった証拠よ」などと、窓越しに指導したという。

 

 ピアディーナの味と作り方は、家庭や地域でも違いがあるという。手巻き寿司のように具材を並べて、みんなでわいわい食べることもある。

 佳奈さんが最初に振る舞ってもらったピアディーナは、手の平に乗るほどの小ささだった。場所は、2人が出会ったニュージーランドのニコラスさんの部屋。倹約家のニコラスさんの部屋は狭く、生地を伸ばす場所がないため、ベッドの上に延ばし板を置いた。それでも、「ろうそくを灯して、赤ワインを選んでくれて、とってもすてきなディナーでした」と佳奈さん。

 

 佳奈さんは、ワーキングホリデーでニュージーランドにいた。2人の始まりはニコラスさんの一目ぼれ。ニュージーランドで入籍し、出産に合わせて帰国したのが昨年のこと。

 今、佳奈さんの実家で佳奈さんの両親とともに暮らす。勤務先のレストランには、「世界での経験を評価してもらった」と感謝している。

 義父の幸広さんは、時折つくるニコラスさんの料理を、おおむね気に入っているという。

 「お義母さんのおいしい料理に慣れているからとっても大変。でも頑張るよ」とにっこり。

ニコラスさんのピアディーナレシピ
〈生地の材料〉
小麦粉、水、ラード、塩、重曹

〈作り方〉
①材料を混ぜてよくこねたら30分寝かせる
②好みの大きさのボール状にして、延ばし棒で円形に伸ばす
③フライパンで焼く。

〈代表的な具〉
生ハム、チーズ、ルッコラ、トマト、サラミ、ソーセージ、ヘーゼルナッツ風味のチョコレートペースト

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