縁ある茨城に笑いを 県内各地で寄席 落語家集団「いばらく」
いばらくの3人。右から扇兵衛さん、志のぽんさん、市寿さん。それぞれ東京を拠点に活動する二つ目の落語家

 東京を拠点にする若手落語家3人が、いばらくというユニットで、本県各地で公演を重ねている。ユニット名のいばらくは、「茨城落語」をひらがなにして縮めたものだ。

 3人は、発起人の林家扇兵衛さん(29)と、柳亭市寿さん(36)、今年加入したばかりの立川志のぽんさん(44)。

 それぞれ伸び盛りの「二つ目」という立場で、時折、3人がそろうと「茨城のネタをつくりたい」「茨城大使を目指そうか」などと夢を語るという。

 夢の1つは、同じいばらくという愛称で呼ばれる牛乳製造会社「いばらく乳業」とコラボすることだという。

 市寿さんは取手市出身で志のぽんさんが石岡市出身である一方、扇兵衛さんのプロフィールには本県とのゆかりが見当たらない。

 「趣味が高じてしまって」と扇兵衛さん。扇兵衛さんは、大洗町を舞台にストーリーが展開するアニメ「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の大ファン。全国にいる同アニメのファンの多くは、同町を聖地と呼び、訪ねることも多い。扇兵衛さんもそんな1人として同町を訪ねたところ、地元の人に仕事を問われ、「落語家」と答えると、大洗寄席開催の話が進んだという。

 扇兵衛さんと市寿さんは、大洗での寄席に共演したことで意気投合。東京へ帰る常磐線の車内でユニットの結成が決まった。それが昨年の1月だった。

 最近は、ガルパンの枠を超えて、県内各地で公演を重ねている。いばらくとしての公演数は、10回を越えた。

 3人の寄席では、落語の楽しみ方を伝える「落語ワークショップ」のようなコーナーが設けられることがある。それは、東京と比べて、茨城には落語に慣れていない人が多いためという。「いばらくを名乗る以上は当たり前。自分たちと落語のことももっと知ってもらいたいから」と3人。

 今後は、10月10日に日立市旭町のホテル天地閣で開催予定の「いばらく in 日立・天地閣」などに出演する。当日券2500円。問い合わせは、いばらく☎︎080・6176・2898。

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