収穫待つ畑の創作家 イチジクを栽培して20余年の長谷川さん(茨城・潮来)
収穫を控えるイチジクの実を指す長谷川さん

 潮来市上戸の長谷川幸雄さん(78)宅のイチジク畑に、収穫時期が近づいている。現在の実の大きさは、長さ約10㌢、重さ約60㌘。あと一週間ほどで、倍近くに成長して、収穫が始まる。長谷川さんは、「一気に熟すことから、『一気熟(いっきじゅく)』が転じてイチジクと呼ぶらしい」と笑う。

 長谷川さんは20年余り前に、行政の減反指示を受けて、水田からイチジク栽培に切り替えた。

 長谷川さん宅の環境が合ったせいか、「イチジクは生産性がとても高かった」。うわさを聞きつけた人に栽培法を指導することも多かったが、上手くいく例ばかりではなかった。

 長谷川さんには地域の民話を発掘してまとめたり、作詞に取り組んだりするなど、創作活動をたしなむ一面がある。イチジクをテーマにした次のような歌詞もある。

 春の陽遠い無花畑(むかか)は 土の根硬く鍬先はじく
 夏の暑さや雨の日も 天然(てん)の恵みと感謝して 汗ふく黒いシワの手が 秋の実りをつかむのだ

 無花畑は、イチジク畑の意味。イチジクは漢字で無花果と表記する。

 イチジク栽培を始めて20年を機に農業を引退するつもりだったが、思いどどまった。理由の一つにイチジク栽培と創作活動の相性の良さがある。「無花果という名前は意味深だし、自然の傍らにいると、いろいろな思いがわいてきて創作につながるんだ」

 長谷川さんのイチジクは、道の駅いたこなどに出荷される。収穫期は10月下旬まで。

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