沿線に、人、笑顔、黄色いハンカチ 全線再開した水郡線
大子町役場近くに設置した黄色いハンカチと同町冥賀の住民ら(写真提供・菊池靖一さん)

茨城再見聞

 2019年10月の台風で大子町の鉄橋が流されるなどの甚大な被害を受け、一部区間が不通になっていたJR水郡線が復旧し、27日に全線で運転が再開された。

 最後まで不通になっていたのは、袋田~大子駅間(3・8㌔)。同日午前、再開後最初の列車が同区間を通る際は、沿線に地域住民ら多くが顔をそろえて、列車に手を振るなどして喜んだ。

 同町冥賀の住民有志らは2月から、沿線に黄色いハンカチを掲げて、再開を祝おうと準備を重ねた。発起人は、渡辺敏英さん(72)で、「高倉健さんの古い映画を思い出してね」。地域でごみの分別作業をともにする仲間に声をかけると、すぐに良い返事がもらえた。仲間は16人。その家族や友人らにも黄色いハンカチに見立てた布を配り、水郡線に対する思いを書き込んでもらった。

 最初の列車が通過したときには、同町役場近くの沿線に、93枚がゆれた。それぞれに、「ありがとう」「おめでとう」などの文字。渡辺さんは、「こんなにたくさんの人の明るい表情に囲まれたのは久しぶりだった」と笑顔だった。

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