幸せ呼ぶ丸干しイワシを全国へ て印杉本水産(茨城・北茨城市)
串に刺したイワシを並べる杉本さん(右)

茨城再見聞

  北茨城市大津町の水産加工業「て印杉本水産」は、節分を前に、丸干しイワシの製造に忙しい。節分にイワシを食べる風習は、関東、東北、関西の各地に伝わる。邪気を払うなどのいわれがある。

 同社は、1949年の創業当初から丸干しイワシを製造している。かつては、節分需要だけで会社を回したが、事情は変わってきている。それでも今の時期は、1日に約1万匹のイワシを加工する。ベテランぞろいの従業員たちは、目にもとまらぬ早さで作業に当たる。

 丸干しイワシは、串をエラから通して干したイワシのこと。串を目に刺したものをめざしという。

 丸干しは、サイズごとに呼び名がある。大きい順から大羽(おおば)、中羽(ちゅうば)、小羽(こば)。地域によって好まれる大きさが違い、本県は大きいほど人気だ。

 同社代表の杉本佳幸さん(77)、妻のひろ子さん(68)には、地場産業を守りたいという気持ちが強い。いまも、積極的に出張販売も行い、販路を広げている。「昔からのものを守ることは、新しいものを生み出すのと同じだけ大切」と2人。

 同社☎0293・46・0251。

 

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