【茨城再見聞】セミ時雨が降る夏の終わり 御岩神社(日立)
緑に囲まれた御岩神社の楼門

茨城再見聞

 パワースポットとして全国に知られる日立市入四間(いりしけん)町の御岩神社も、今夏は新型コロナの影響で参拝者が少なめだ。人のにぎわいに取って代わったようなのは、セミ時雨。参道を囲むスギの大木から降り落ちてくるようだ。

 「ヒグラシが鳴く夕暮れは、特に風情がある。参道に沿って流れる小川のせせらぎとのハーモニーも感じてほしい」と、同神社広報担当の下条美樹さん(25)。

 同神社は、奈良時代に編さんされた常陸国風土記に関連する記述があるなど、古くから信仰を集めた。パワースポットといわれるようになった理由は諸説あるが、人気の本質が、同神社の歴史の重みや、周囲の自然と合いまった神秘的なたたずまいにあるのは確かだ。

 神社入り口から参集殿(御岩神社)までは、約8分歩く。セミの声は、歩き進めるごとに大きくなる。時折、反響するかのような鳥の鳴き声が入り込む。周囲の木々と山肌も音響効果を高めているという。

 「鳥の鳴き声があまりに明瞭なため、『スピーカーで放送しているの?』と聞かれたことがあります」と、下条さん。

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