岩手に震災復興の祈念碑建立 県石材業協同組合連合会(茨城)
建立した祈念碑(同連合会提供)

 県石材業協同組合連合会(林清会長)が制作した石碑がこのほど、岩手・陸前高田市にある高田松原津波復興祈念公園に建立された。2011年の東日本大震災による同市の津波犠牲者の慰霊と、震災からの復興を祈念したもので、高さ3・9㍍、幅3・7㍍、重さ21㍍。「千年残る石碑になってほしいという思いを込めた」と、同連合会元会長の堀政美さん(80)。

 同公園には、津波に負けず一本だけ生き残った松「奇跡の一本松」があり、祈念碑はその近くに建立された。

 祈念碑には、県産の最高級稲田みかげ石を使用した。祈念碑の前面には、作曲家の故・船村徹さん揮毫(きごう)による、「孤松巌上(こしょうがんじょう)」の4文字を刻んだ。堀さんの友人が船村さんと親交があり、その縁で揮毫を頼むと、無償で引き受けてくれた。

 4文字には、「一本残った松のように、何が起ころうと頑張っていこう」との思いが込められているという。

 同祈念碑の建立プロジェクトを立ち上げたのは、震災翌年の2012年。同連合会は震災後、県内の被災地に復興を祈念した石のモニュメントを寄贈する活動を実施。「県外の被災地にも」と、特に大きな被害を受けた陸前高田市に寄贈を申し出た。祈念碑に、茨城県民の思いも乗せようと、関係したイベントの来場者に、碑に刻む文字を彫ってもらうなどの取り組みも行った。

 完成した祈念碑は、桜川市内で展示したあと、2016年に陸前高田市内の震災遺構に仮設置をして、同公園の全面供用を受けて、今年4月から基礎工事を行った。

 同連合会理事の川俣均さん(62)は、「長い時間がかかったが、みんなの思いが形になり、ほっとした。岩手の人たちの心に届けば」と話した。

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