我が家のタイムラインで「逃げ遅れ」防ぐ 〜茨城県が作成を呼びかけ〜
2019年の台風19号の被害を受けた水戸市を撮影した航空写真

〈防災の日スペシャル〉

 県は、河川の氾濫などの災害発生時の「逃げ遅れ」を防ごうと、独自に用意した避難計画表の「我が家のタイムライン」の作成を呼びかけている。災害発生時の避難先、避難先への移動手段、避難するタイミングなどを項目に沿って書き込むもので、家庭内に掲示することで、避難行動をスムーズにする効果が期待される。きょう9月1日の防災の日に併せて特集する。

・後半に実物掲載

 我が家のタイムラインはA4版。国などがまとめた既存の個人防災行動計画表をベースに、項目を絞るなどして、簡単に書き込めるようにした。
 県のホームページでダウンロードできるが、今特集の後半にも、書式を掲載している。書式の画像をクリックすれば、ダウンロードもできる。書式に添えた解説文と照らし合わせて書き込んで、家庭内に掲示してほしい。

・書き込み時間約15分

 書き込み項目は、①避難先②移動手段③移動時間④持ち出し品⑤避難開始のタイミング。調べながら書き込む項目もあるが、県防災・危機管理課防災担当課長補佐の小林武史さん(43)によれば、15分程度で作成することができるという。小林さんは、「マイタイムラインを作成し、日常的に確認しておくことは、災害時の適切な判断と、行動につながると考えます」と話している。

・災害を受けて

 本県では、2015年9月の関東・東北豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、4000人以上が自宅などに取り残された。19年の台風19号でも県央、県北部の那珂川、久慈川などの堤防が決壊するなどして、300人以上が逃げ遅れた。
 県の「我が家のタイムライン」の作成と活用の呼びかけは、これら実際の災害を踏まえた対応の一つ。
 国も昨年、市町村が発令する避難情報の内容を見直すなどしている。

・県のラインでも情報

 県は、県の公式ライン(LINE)でも、災害関連情報を発信するなど、意識向上に努めている。発信内容は、「避難に関する情報」「平時からの備え」「気象情報等」。情報を受け取るには、「県公式」を友だち登録する必要がある。下のリンクを読み込むとスムーズに登録できる。
 ラインを使用していない場合は、ラインアカウントの作成が必要。

 「県公式」ラインを友達登録するには、ここをクリック。

 

我が家のタイムラインの書き方と使い方

 下表は、県のホームページからダウンロードした「我が家のタイムライン」の書式(クリックするとPDFデータをダウンロードできる)。県は、各項目を書き込んだ後、家庭内の目立つ場所に掲示しておくことをすすめている。

我が家のタイムライン書式

 ◆書き方
 我が家のタイムラインを書くに当たって、事前に調べておくべきことが2つある。1つは、自宅近くの避難場所の位置。もう一つは、自宅周辺が浸水する可能性。下の「ここ」から確認できるが、スマートフォンやパソコンの扱いに不慣れだったり、ハザードマップに不明点があったりした場合は、市町村の防災担当課に問い合わせを。

 ハザードマップを確認するには、ここをクリック。

 記入は、下の〈解説図〉の数字と照らし合わせながら進めてほしい。①には家の名字②は先に確認した避難先。浸水する可能性がない親類宅などでもいい③は避難先までの移動手段(徒歩など)について考えて記入④は移動時間を考えて記入⑤は避難場所に持っていくべきものをチェック⑥は家族構成などを踏まえて、避難するタイミングを決め、上段か下段を選ぶ。
 事前に決める必要がないように思えるものがあるかもしれないが、緊急時には正しい判断ができない場合もある。
 我が家のタイムライン解説図

◆使い方
 書き上げたタイムラインは、家の中の目に付きやすい場所に掲示する。
 台風などの災害が近づいてきたら〈解説図〉で青で囲まれた部分に注目しながら、気象庁や、市町村の情報に耳を傾ける。市町村が「警戒レベル3」を発令したら、⑥で上段を選択した人は、避難を開始。「警戒レベル4」が発令された場合は、⑥で下段を選択した人も避難開始。

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