85歳小野さん初個展 夫との思い出の地・富士山の写真作品50点(茨城・北茨城)
作品「流雲」。地面に座り込み魚眼レンズで撮影した1枚

 北茨城市の小野惠子さん(85)の写真展「富士山に魅せられて」が10月4日から、日立市弁天町の角記念市民ギャラリーで開かれる。名峰富士の四季折々の姿を、山梨と静岡県から撮影した写真約50点を展示する。

 小野さんは、二科会写真部会員、県美術展覧会会友。グループ展への出展はあるが、個展開催は初めて。長年元気に撮影してこられたことの記念と、撮影を応援してくれる家族や仲間への感謝を込めて企画した。

 小野さんは、中学校の体育の教員を退職後、亡き夫の栄重さんと一緒に、常陸大宮市の大貫亘さんが開く教室に通うなどして写真を学んだ。

 富士山を本格的に撮影を始めたのは2016年から。富士山は2003年に栄重さんの70歳を記念して家族みんなで登った思い出の山。勇姿に魅せられたこともあるが、「富士山を眺めると、おじいちゃん(栄重さん)が歩いているような気がしてね」と、小野さん。

 撮影には、娘夫婦の運転で、月に1、2回ほど行っている。自宅を深夜に出発し、撮影地では日の出前から、三脚を3本立てて時を待つ。暑い日も寒い日もあるが、スポーツで鍛えた丈夫な体で、夢中でレンズをのぞく。

 小野さんの写真は、雲が特徴的な1枚が多い。「天国のおじいちゃんに、雲をもっと広げて! と、心の中で願うこともある。いい雲がとれると、眠気も疲れも吹っ飛びます」

 会期は10月9日まで。午前10時~午後6時開場で、初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。同ギャラリー☎︎0294・26・0170。

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