薬膳と歩んだ日々の集大成 薬膳料理家の宮沢さん 本「母が紡ぐ和の薬膳」出版(茨城・日立)
シーマークスクエアの飲食店の前で、本を持つ宮沢さん

 日立市の薬膳料理家、宮沢孝子さん(55)はこのほど、自分史と薬膳料理のレシピ集を組み合わせた本「母が紡ぐ和の薬膳」を自費出版した。

 宮沢さんは同市小木津町の農家の家庭で育ち、子どものころから薬草が身近にあった。また、薬膳料理を学び始めたきっかけが、20年近く前に自身がうつ病を患ったことであるなど、薬膳料理との関わりは深く、長い。宮沢さんは、「薬膳料理の魅力と、薬膳料理への感謝の思いをつづろうとすると、自然に、自分史とレシピ本を組み合わせる形になった」と話している。

 前半は自分史編。田んぼ端の野草の味を教えてくれた祖父との思い出や、宮沢さんを自立した女性に育てようとした母親の厳しさの裏側にある優しさなどがつづられている。

 同市の海で取れたワカメとヤリイカを使った「イカじゃがワカメ」など、料理をテーマにしたエッセイも盛り込まれる。

 後半は、エッセイで紹介した料理の写真付きのレシピ集。

 宮沢さんがうつ病を患ったのは、母親と長女を、続けざまに亡くしたのがきっかけだった。

 夫や息子には、以前と変わらぬ料理を作ったが、自身はジャンクフードを食べ続け、状況を悪くした。「このままではいけないと薬膳にすがりついた」と宮沢さん。

 10年前、病気の症状がよくなったのと、震災を機に、自宅で薬膳料理教室を始めたことで、世界が広がった。

 最初は、友人2人に指導するという最小限のスタートだったが、評判になり、2019年は、1年間で延べ3800人に指導したという。

 7月には、新型コロナウイルスの影響で教室などの中止が続いたことを受けて、オリジナル薬膳料理を提供する飲食店を、同市のシーマークスクエア内にオープンした。

 宮沢さんによると、「薬膳は楽しむもの」だという。我慢や頑張りを強要するのでなく、旬の食材を、その味わいを生かして簡単な調理で食べること。「それを、自然な形で続けることも大切」だという。

 1冊1320円。本は、インターネット通販サイトの「アマゾン」などで購入できる。シーマークスクエア内の店でも販売。

 インターネット通販サイト「アマゾン」の商品ページは、こちら

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