朝ドラ「らんまん」のモデル 牧野富太郎のミニ展示  水戸市植物公園で(茨城・水戸市)
牧野の書「百樹園」と、西川園長

 水戸市植物公園(同市小吹町)で、現在放送中のNHK連続テレビ小説「らんまん」のモデルになった植物学者・牧野富太郎(1862~1957年)を紹介するミニ展示が行われている。企画は、同園園長で、牧野の長年のファンという西川綾子さん。ファン目線を生かした手作りの展示となっている。

 展示は、牧野の人物紹介のパネルや、牧野が考案した植物図「牧野式植物図」など。

 牧野の略歴を紹介したパネルの文章は、牧野と交流があったという西川さんの大学の恩師を取材してまとめた。牧野が日本で始めて学名をつけた「ヤマトグサ」については、資料に加えて、西川さんが筑波山で自ら撮影した動画でも紹介している。

 注目は、現在は市営の公園「百樹園」(水戸市元吉田町)と牧野の関わりを紹介した資料。

 同園は、しょうゆ醸造業「井傳」の第4代・木村傳兵衛が計画し、1933(昭和8)年に開園した。徳川光圀が約100種類の樹木を植えたとされるひたちなか市の樹木見本林「百色山」の衰退を残念に思い、再生をと願ったもので、東京帝国大学博士だった牧野に応援を求め、牧野の指導のもとに樹種を収集するなどしたという。牧野が「百樹園」と直筆した書も展示している。

 西川さんは、小学校の教科書で牧野に出会い、同じ草花好きとしてあこがれた。学生時代は、古書店などで著作を買い求め、今回の展示でもその一部を紹介している。「強烈な情熱を持っていた人。展示が植物への興味につながったらうれしい」と、西川さん。

 展示場所は、観賞大温室内の多目的室で、8月31日までの予定。月曜休園。同園☎029・243・9311。

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