デゴイチ 地域文化財に 市民の推薦から 保存会が半世紀以上見守る(茨城・水戸市)
デゴイチの前に立つ中山会長(左)と、保存会の会員

  水戸市の千波湖畔に屋外展示されて半世紀以上が過ぎたD51形515号蒸気機関車(千波公園のデゴイチ)がこのほど、同市の地域文化財に指定された。

 同文化財は、身近な歴史資源を守ろうという同市独自の文化財保護制度。市民からの推薦を元に市が審議を行い、認定する。デゴイチの指定は10件目。

 千波公園のデゴイチは、1941年製造。48年から58年まで常磐線で運用されていた。

 71年、同市が国鉄に車両の貸与を要望して、同千波湖畔の千波公園に展示した。

 維持管理は、国鉄OBなどで組織する保存会「デゴイチを守る会」が、展示当初から続けている。運転席が出入り自由となっているのは、同会が、「デゴイチを知らない世代にも、デゴイチの魅力を知ってほしい」という願いを持つことから。

 保存会発足当初のメンバーで会長の中山隆一さん(71)は、「他の文化財の寺社仏閣などと比べ、歴史が浅いデゴイチの認定は奇跡的。会員の思いが市民に伝わった結果」と話していた。

 なお、同保存会の夢の一つは、デゴイチの汽笛を鳴らすことで、その夢は昨年叶った。栃木の真岡鉄道から蒸気機関の仕組みを教わり、試行錯誤を重ねた。53年ぶりのことだった。

 

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