移ろいのすべてが魅力 国営ひたち海浜公園のコキア(茨城・ひたちなか)
約3万2000本のコキアが赤く染まる同園みはらしの丘(約1・9㌶)。写真は同園提供(撮影日は10月14日)

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 ひたちなか市馬渡の国営ひたち海浜公園のコキアが、紅葉の見頃だ。同園の発表に厳密に沿えば、きょう21日の段階で、最盛期をわずかに過ぎた見頃の後半だが、「鮮烈な赤が、少しずつれんが色に移り変わっていく段階。深く温かな色合いにも、大きな魅力があるもの」と同園の広報担当の星みきさん。

 同園は今年、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、混雑期を避けた分散来園を呼びかけている。最盛期だけが魅力ではないと訴えるのは、その意味からでもあるが、星さんは、「コキアの色の移ろいはどの瞬間も魅力的。シーズン最後となる11月初旬の黄金色も美しく、多くの人に見てもらいたい」と力を込める。

 

 星さんら同園スタッフは今年、例年以上に、コキアなどを「見てもらえる幸せ」を感じているという。同園が、新型コロナの影響で9月19日までの約1か月間、休園していたためだ。

 同園は休園の間も、植物の手入れなど管理作業を継続し、すぐに再開できるよう、準備した。星さんら広報担当者の大切な仕事だったのが、ホームページやSNSで、園内の植物の様子を発信すること。同園の草花のことを忘れてほしくなかったのと、草花の様子が、多くの人の心を癒やすことができるのではないかと考えたからだった。

 「来園できないお客さまの代わりに草花に向き合い、観察し、写真に収めることになり、いつも以上に気持ちがこもった。結果、園の新たな魅力を発見することもあった」と星さん。

 9月20日の再開初日は、それぞれの成果もあり、約9000人の来場者があったという。

 

 同園は、比較的来園しやすい県内の人には、朝か午後の来園をすすめている。

 「すいていることと、それぞれに独特な表情が楽しめることが魅力」と星さん。星さんが伝える朝のコキアの魅力は透明感、午後の魅力は、西日を浴びて赤が、一層濃く、深みを増す点だという。

 朝に訪ねるなら今週末の23、24日は、通常より1時間早い午前8時半に開園する特別スケジュールになっている。

 

+アルファで訪ねたい

 同園でコキアの紅葉を観賞した後、もう1か所訪ねるなら、コキアが育つみはらしの丘の北西にある沢田湧水地がおすすめだ。両地点の距離は歩いてすぐだが、同園の中央ゲートの反対側になるため見落としがち。週末であればガイドツアーにも参加できる。

 

ガイドツアーの様子沢田湧水地で行われたガイドツアー(同園提供)

 

 木々が覆い茂る沢田湧水地は、みはらしの丘とは別世界。水辺を好む動植物が多く生息し、この時期は赤トンボのマユタテアカネなどが舞う。

 同園☎︎029・265・9001。

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