もなかの種の製造所 昭和30年ごろ創業「荒木商店」(茨城・笠間)
作業する荒木さん。手前は種の型

 笠間市笠間の荒木商店は、菓子のもなかのあんを包む種(たね)の製造所。種は、皮と呼ばれることもあるが、こちらが正式な名称。原料に餅を使うことから、餅種と呼ばれていたものが省略されたという。同店は、昭和30年頃に、2代目の荒木亮一さん(63)の父と祖父が創業した。

 種の製造には、輪転機と呼ばれる円形のガス台のような機械を使う。円形部分には、種の型が置かれ、下から火が当てられる。円形部は周回し、1周するとちょうどよい焼き加減になる。工場には円形や四角形、ひょうたん型、クリ型など、約30種の型がある。

 20年前まで、県内に20軒ほど種の製造所があったが、現在は2軒。約30種の種のなかには、廃業する同業者から託されたものも多数あるという。「微力ながら伝統を守る一翼を担っていければ」と荒木さん。

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