夢のオリンピックへ、大きく、かっこよく  坂本小・山縣蒼生君(茨城・日立)
笠間市のムラサキパークかさまでジャンプする山縣君(撮影・長屋陽)

ジャンプタイトルカット

 日立市立坂本小学校5年の山縣蒼生(あおい)君(11)には、笠間市笠間のスケートパーク、ムラサキパークかさまの“店舗ライダー”という顔がある。スケートパークは、スケートボードやBMXなどの競技施設がそろう場所。店舗ライダーの山縣君は、それらの施設を自由に使える上に、一部の道具の無償提供を受けている。

 専門は、スケートボード・ストリート競技。ストリート競技は、街角にあるのと同じような階段や、レールと呼ばれる手すりなどを舞台に演技するもの。

 スケートパークの山縣君は、まるで自宅にいるような落ち着き。ひょいとレールに乗ると、すぐジャンプ、スケートボードをはらりと回転させた。

 スケートボードは、多くのスポーツとは一線を画すほど、かっこよくて、おしゃれな一面があるが、練習は、地味な反復の繰り返し。山縣君が特訓中なのは、「270ボード」という技。山縣君は、数か月の地上練習を経て、ようやくレールに乗るまでたどり着いたという。

 スケートボードを始めたのは、小学1年のとき。指導者でもある父、征一さん、同施設まで送迎する母、いずみさんと、2人のきょうだいを含めた家族が、チームのようなもの。一昨年の東京オリンピックで、スケートボードが正式種目に加わったことは、チームの団結力を一層、強くした。

 山縣君は、年男でもあるという今年、「プロになる自信が持てるところまでジャンプしたい」と誓う。

〈シリーズおわり〉

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう