吉沢さん夫婦
2個入り280円。「素朴なおいしさを守りたい」と、吉沢さん夫婦

 常陸太田市中染町の水府食品製造本舗のパン「シャーベットパン」は、作り始めて約60年というロングセラー商品。バタークリームとイチゴジャムをのせた素朴なパンだが、「昔懐かしい味」と、変わらず愛されている。

 シャーベットパンは、カップ型に焼いたパンの中央にバタークリームを入れて、イチゴジャムをのせたパン。パンをちぎって、クリームやジャムをつけながら食べる。

 同本舗の吉沢広道さん(74)によると、同店でシャーベットパンを作り始めたのは昭和38年頃。旧水府村地区には当時パン店が3軒ほどあり、どの店もシャーベットパンを作っていたという。シャーベットパンは、ケーキのような豪華さで人気だった。当時はイチゴジャムではなく、赤いゼリーをのせていた。

 県北や県央地区などの店でも広く作っていたといい、「どの店が発祥なのかはわからないんです」。「シャーベット」という名称の由来についても、「カップ入りのアイス(シャーベット)のようだったからと思うが、定かではない」という。

 現在は、妻の文江さん(71)と娘の3人で、週に2日パンを焼いている。素朴なシャーベットパンだが、「作るのは手間暇かかるんです」。パンは、カップ型に焼くため、専用の容器に一つ一つ生地を巻きつけて焼く。クリームとジャムをのせるのも手作業。作業は午前0時から始める。

 シャーベットパンを作っているのは、現在は県内で数軒のみという。「素朴なおいしさをこれからも守りたい。おいしかったよとの声が何よりのご褒美」と2人。販売は、同市久米町の全日食チェーン金砂郷久米店、大中町のJA里美生産物直売所、大森町のJA直売センター「せやの径」で。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう