懐かしのタヌキケーキ 創業50余年の洋菓子店が販売 今も人気(茨城・鹿嶋市)
「とってもかわいいです」と同店スタッフ

 創業50年を超える鹿嶋市宮中の洋菓子店「プティドール」は、「知る人ぞ知る」というケーキ「タヌキ」(1個、350円)を販売している。このケーキは、名前の通りにタヌキがモチーフで、「知る人ぞ知る」というのは、かつては全国の多くの洋菓子店が扱う定番ケーキだったから。

 同店のタヌキの形は、小ぶりな鏡餅という感じ。土台はかためのスポンジで、上部は球状のバタークリーム。全体をチョコレートでコーティングして、上部に目と耳などをあしらってタヌキに似せている。創業以来のレシピで仕上げているという。

 タヌキが定番だったのは、バタークリームのケーキが一般的だった時代。動物をモチーフにすることで、子どもたちの関心を引いたと思われる。

 時代に合わせた新しいケーキに押されてタヌキが姿を消していく中、同店が、販売を続ける理由は、「人気があるから」と同店の店長・飯島香織さん。人気の度合いは、ショーウインドー内の配置場所でも分かるという。

 同店でタヌキが置かれているのは、入り口からもっとも遠い、奥の下段。飯島さんは、「一番目立たない場所。それでも売れるからここに置けるの」と話す。

 同店を訪れるタヌキファンは、幼児と年配者が多いという。熱心な年配のタヌキファンが、「ホールケーキの上にタヌキをずらりとトッピングして」と特注したこともあるという。

 飯島さんは、「手作りだから、イケメンタヌキもいれば、意地悪そうなタヌキもいる。顔で選んでいくお客さんもいる」と笑う。

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