「みんなの善意」で車いす寄贈 プルタブ集めた篠塚さん
ペットボトルに入れたプルタブを持つ篠塚さん

 潮来市米島の篠塚武雄さん(81)はこのほど、10年余りかけて集めた缶ジュースの空き缶のプルタブを換金して車いす2台を購入、同市社会福祉協議会に寄贈した。

 篠塚さんは、「私は、多くの人たちの善意を形にしただけだから」と話す。篠塚さんは12年前にも、同じ取り組みで同市に車いすを寄贈している。

 車いす2台分の金額に換金できるプルタブは、軽トラックの荷台がいっぱいになるほどの量=下写真。篠塚さんは2㍑のペットボトル容器に入れて保管してきた。

 

集めたプルタブ集めたプルタブ

 

 二十数年前、職場の先輩から、プルタブを集めると車いすに交換できるという話を聞いたのが、収集の始まりだが、「私は本当に、きっかけを作っただけ」と、篠塚さん。

 いきさつはこうだ。始めた当初、宴席で缶ビールの空き缶のプルタブを取り外していると、次々に、「何しているの?」と聞かれて、訳を説明した。その後は、篠塚さんの活動の噂がどんどん広がり、会うたびにビニール袋に集めたプルタブを手渡してくれる人ができて、増えていった。「家の入り口に何も言わずに置いていってくれる人もいた」という。

 プルタブは、町の鉄くず買い取り業者に買い取ってもらって現金化するため、車いす以外のものを購入することもできるし、篠塚さんが小遣いにしてしまうこともできる。篠塚さんは、「そんなことは考えたこともないよ」と笑った。

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