鹿嶋の山車と下座 徹底調査 鹿島神宮氏子青年かなめ会が「鹿嶋山車下座文化誌」刊行(茨城・鹿嶋市)
左から堀口さん、中山さん、布施さん

  鹿嶋市宮中の鹿島神宮にゆかりの深い山車と、おはやしの演奏者団体「下座連」にまつわる歴史をまとめた本「鹿嶋山車下座文化誌」がこのほど、刊行された。まとめたのは同神宮の奉仕団体「かなめ会」(中山俊幸会長)。同会は、同神宮の氏子の中の若手たちで組織する。構想から完成まで約2年。昔のことに詳しい地域の住民を訪ね歩いたり、各地の図書館に通い詰めたりしながら仕上げた。

 山車の出番は、毎年9月。同神宮神幸祭を、周辺地域が祝奉して練り歩く。周辺の5か町がそれぞれの山車を管理している。

 この地域の山車の特徴に、上部に巨大な人形が飾られていることがある。全国に知られる剣豪、塚原卜伝とゆかりの深い地区は、塚原卜伝の人形を乗せるなどしている。

 下座連は、おはやしの名人などのもとに有志が集まって組織されている例が多い。同市内では現在、3つの下座連が活動している。

 山車も下座連も江戸時代からの歴史があるとされるが、詳しい由来などをまとめた資料はないという。多くは口伝で伝わってきたが、詳しい人が少なくなっていることから、「郷土の貴重な文化が失われてしまうことを恐れて、書籍化の話が立ち上がった」と中山さん。

 山車については、昭和50年頃には、テレビなどの人気キャラクターの人形が置かれていたことがあったことも分かった。その写真が見つかった際には、関係者で盛り上がったという。キャラクターは「サザエさん」「加トちゃん」「ウルトラセブン」など。かなめ会の会員で調査の中心になった堀口真悟さん(33)は、当時の人たちが祭りを楽しんでいた様子がうかがえた」と喜ぶ。同書には、それぞれの写真が掲載されている。

 下座連については、一部の高齢者だけが知っていた「笛の達人」の存在があきらかになり、同書にも記述がある。達人についてたどる中で、鹿嶋市の下座連と潮来市の下座連の関係なども浮かび上がったという。

 現在は失われてしまった行事の詳細が確認されたこともあった。古い家に伝わる古文書を、地域の研究者の力をかりて読み解く中でのことだ。同書には、解説文付きで、古文書の文章が掲載されている。

 同会の布施恵三さん(51)は、「地域への関心が高い人ならば、必ず喜んでもらえる内容」と話している。

 同書はA4版カラー358ページ。一冊4500円。同神宮で販売している。同神宮☎0299・82・1209。

 

 

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