求む! 茨城の大声援 10月1日に新シーズン開幕の茨城ロボッツ 一丸で試練の時に向かう(茨城)
常磐神社(水戸市)での必勝祈願を終えた茨城ロボッツの選手、スタッフら(茨城ロボッツ提供)

 10月1日に水戸市のアダストリアみとアリーナで行われる名古屋戦で開幕する男子プロバスケットボールBリーグ1部(B1)茨城ロボッツの新シーズンは、試練の時となる。Bリーグが2026年に「新B1リーグ」の創設を計画しているためだ。新B1リーグでは、勝敗によるリーグの昇降格は行われない。1試合平均の入場者数が4000人を超えることなどが基準になり、3季連続で基準を下回れば降格もある。新シーズンから、その審査が始まる。昨季のロボッツの1試合平均入場者数は、1588人。選手を含むチーム関係者は、一丸で、“茨城の大声援獲得活動”に励んでいる。

 

 茨城ロボッツは13年、つくば市で「つくばロボッツ」として誕生した。16年のBリーグ開幕からBリーグ2部に参入。チーム名は、「サイバーダインつくばロボッツ」と「サイバーダイン茨城ロボッツ」を経て、19年から、現在の「茨城ロボッツ」となった。21年の5月に、Bリーグ1部のB1昇格を果たした。

 

 「声援を集めるために最も有効なのは、成績を上げることだけど……」とは、同チームの西村大介社長。初めてのB1参戦となった昨季は、11チームが所属する東地区で10位。レベルアップが求められるのは確かだが、入場者数などの新B1リーグ参入基準をクリアするのは、それだけでは難しい。

 参入基準は、全チームで一律。そして、B1リーグの多くのチームのホームは東京、大阪、愛知などの大都市。「分母がまったく違う」とは、茨城ロボッツビジネスパートナー事業部長の川崎篤之さん。

 

 しかし、茨城ロボッツは、現実に甘んじることなく努力を重ね、結果も出ている。それらは、今後を照らす光でもある。

 結果の1つは、入場者の再訪率の高さ。同チームの調査では40㌫を超える。これは、他のプロスポーツを含めても高い。

 再訪率を高めている理由に、試合の優れたエンターテインメント性がある。ホームアリーナの映像モニタは、Bリーグ最大。ラジオ局の茨城放送がグループ企業にあることも大きい。多くの試合で、同局ゆかりアーティストが登場。「必ず何かがあると思っていただけている」と西村社長。

 

 「選手の努力も大きい。会社の実情まで意識してくれるのは、普通ではない」と西村社長。西村社長は16年まで、Bリーグ滋賀の社長を務めるなどして、他チームの事情にも詳しい。

 8月22日、水戸市の常磐神社で必勝を祈願した選手とチームスタッフ総勢60人は、チームの今後をテーマに、ミーティングも行った。立場を超えて、意見を出し合った。

 「コロナ禍が過ぎたら、ハイタッチでファンと気持ちを交わしたい」と話したのは、新加入のトーマス・ケネディ選手。ハイタッチに込める思いも続けた。唯一の本県出身選手の鶴巻啓太選手は、「県南の人たちと交流したい」と。出身地は取手市。「東京に近くても茨城愛は深い」と訴えた。新加入の山口颯斗選手は、スポンサー企業と交流できる機会を設けてほしいと話し、「バスケしか知らない僕たちにも学ぶことが多い」と加えた。

 キャプテンの平尾充庸選手の提案は、ビジネスマンのように具体的で、実践的だった。「ロボッツの看板にQRコードを付けてはどうだろう。読み込んだ先の動画で、僕たちがいろんなことをPRする」

 「選手も本気だ。この熱を、どぶ板方式で地域に伝え、協力をいただきたい」と川崎さん。

 

〈近日県内開催試合スケジュール〉

10月1日 午後3時5分 対ファイティングイーグルス名古屋(水戸市・アダストリアみとアリーナ)

10月2日 午後3時5分 対ファイティングイーグルス名古屋(水戸市・アダストリアみとアリーナ)

10月15日 午後3時5分 対三遠ネオフェニックス(日立市・池の川さくらアリーナ)

10月16日 午後3時5分 対三遠ネオフェニックス(日立市・池の川さくらアリーナ)

 

茨城ロボッツ☎︎050・1746・9068

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