休耕田を彩る地域への思い 森のハス田(茨城・大子)
見頃を迎えた「森のハス田」(7月5日撮影)。開花は午前中。風が吹くと、ふわりと甘い香りが届く

緑の季節

 大子町塙の「森のハス田」で、ハスの花が見頃を迎えている。広さ約1400平方㍍の休耕田一帯に青々としたハスの葉が茂り、その合間から、ピンク色と淡い黄色の花が立ち上がっている。

 同所は、地元でつくる「花咲かそう会」が整備して3年。ハスは、「陽山紅蓮」と「舞妃蓮」の2種類。どちらも、田んぼの持ち主の吉成喜久雄さん(72)が、栃木県の愛好家から譲り受けて増やしたたもの。

 吉成さんは3年前、きれいなハスの花が咲いていると聞き、栃木を訪ねて田んぼの持ち主を探した。休耕田に咲かせて地域を明るくしたいと話すと、花の時期の後に、田んぼに張り巡った根を掘り出すところから手伝ってくれた。地元の近所の仲間と同会を結成し、田んぼを整備して植えた。

 「風が吹くと、ハスの大きな葉や花が、大らかに、ゆったりと揺れる。のんびりしたこの町の里山の風景に合うんです」と、吉成さん。

 見頃は7月末頃まで。常陸大子駅から国道461号を栃木方面に向かい、右手の「奥久慈もも・りんご仲野園」の看板を右折。国道からハス田までは約1・7㌔。近くに、古代ハスを栽培する休耕田「ハスの里」もある。吉成さん☎︎090・2548・3629。

(シリーズ終わり)

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